
右京引退!?そんなの知らない!!
二日目の朝。6時におきて、近くのローソンで食料を調達。今日はパンだ。
そこから歩いて地下鉄栄駅に。そこから五分ほど地下鉄に乗って名古屋駅へ。
今日は臨時列車が出ている。名古屋から、鈴鹿サーキット稲生まで直通だ。
だが、遅い。公称40分のところを一時間以上かかってついた。サーキットに入ったのは九時ちょうど。
ローソンで買った「中日スポーツ」の一面に、驚くべき記事が。
「片山右京、F1撤退!!」
前日、記者会見があったそうなのだが、現地にいながら何も知らなかった。
最古参の日本人ドライバーとしてがんばっていただけに惜しい気もするが、
まあ、あのチームならモチベーションが低下しても仕方がないとも思う。
その空いたシートには、中野信治が座るらしい。この世界では何がおこるか分からないものだし、
このぐらい「何でも利用する」姿勢がないと生きていけないのだろう。
おまえはすでに死んでいる

今日は公式予選。直接レースに影響するものなので、昨日よりも人の入りは多い。
フリー走行は、九時から四十五分ずつ、二セット。一回目と二回目の間は三十分しか開い
ておらず、事実上、一回のセッションだ。
一回目の走行で、ティレルのヨス=フェルスタッペンがスプーンの立ち上がりでストップしたために、赤旗が出る。
そのために、これ以降の日程は十分ほどずれ込むことになった。
トップはジョーダンのジャンカルロ=フィジケラ。途中まで、チームメイトのラルフ=シューマッハが、二位につけていた。
だが、その座を奪ったのが、マクラーレン=メルセデスのミカ=ハッキネン。
午後の予選では、二度目のポールポジションが期待される。
立ちふさがる赤い壁
そして予選スタート。開始直前に雨が落ちたが、路面をぬらすにはいたらなかった。が、この
先雨が降る可能性もあるということで、各チーム、セッション開始と同時にコースイン。
一度目のアタックを各車終えた時点で、トップはミカ=ハッキネン。以降、ジャック=ビルヌーブ・
ミハエル=シューマッハと続く。
その後、雨が完全に上がると、めまぐるしいアタックが繰り広げられる。
フェラーリのエディ=アーバインが二位の座を奪うと、奪われたビルヌーブはトップへ。
そして今回の主役、シューマッハも渾身の走りで二位と追いすがる。やはりこの二人が戦うシナリオなのか。
そして最後のアタックへ向けて緊張が高まるところに、向いのダンロップコーナーで砂煙があがった!!
ザウバー=ペトロナスのジャンニ=モルビデリがクラッシュ!マシンは後部が大破。
モルビデリ本人はマシンから降りるも、頭を抱えてうずくまってしまう。
予選は赤旗中断。
すぐさまサーキット内の救急車が到着し、モルビデリをメディカルセンターへと運んだ。
この事故の影響で、最後のアタックを予定していたドライバーは、一周を無駄にしてしまう。
それに加え、赤旗が解除になった直後に、アロウズ=ヤマハのデーモン=ヒルがヘアピンでストップし、
レコードラインをふさいでしまったために、タイム更新が各車ともできない。
結局、順位は、モルビデリの事故直前のもので固定となった。
公式予選結果
| P.P. | ジャック=ビルヌーブ | ウィリアムズFW19 | 1分36秒071 |
| 二位 | ミハエル=シューマッハ | フェラーリF310/B | 1分36秒133 |
| 三位 | エディ=アーバイン | フェラーリF310/B | 1分36秒466 |
| 四位 | ミカ=ハッキネン | マクラーレンMP4/12 | 1分36秒469 |
| 五位 | ゲルハルト=ベルガー | ベネトンB197 | 1分36秒561 |
| 六位 | ハインツ=ハラルト=フレンツェン | ウィリアムズFW19 | 1分36秒628 |
予選終了後、土産物を物色する。関係する各スポンサーのノベルティグッズがほとんどだが、
異彩を放っていたのは、地元・鈴鹿のお土産。「スズカクッキー」(そのまま)・「鈴鹿の風」(カスタードケーキ)・
「ウイニング・ラン」(ケーキのたぐい)など、ベタベタの「おみやげ」が堂々と並んでいた。
こういうのを見ると、「決戦の地・鈴鹿」などという格好いい文句もどこかへすっとんでいってしまう。
と言いつつも、「スズカクッキー」を二箱買ってしまう。
そして名古屋へ戻る。鈴鹿サーキット稲生駅は、前日にもましてひどい混雑になっている。
ホームに人が入りきれず、また、列車が二両編成でしか来ない。しかも、東京都内的高密度圧縮状態にせず、
中でかなりスペースが余った状態で発車してしまうのだ。三十分ほど並び、なんとか快速名古屋ゆきをつかまえる。
座れた。
そして名古屋についたわれわれは、ホテルに着く前に夕食を食べてしまうことにした。
昨日のエビフライで失意の底に沈んだ教訓から、今度はきしめんに挑戦することにした。
慎重に慎重を期して、わざわざコンビニでガイドブックをめくる。すると、ホテルの近くに一軒あるではないか。
早速むかう。
二人とも、天ぷらきしめん定食を注文。普通のきしめんに、天ぷらの盛り合わせがついたものだ。
きしめんをすする二人。
「……。」
「きしめんだな。」
「きしめんだ。」
かつおが効いていたが、めんは、やっぱり「きしめん」だった。やっぱり、名古屋でなくても、
という感覚は残った。むしろ、一緒に頼んだ串カツ味噌だれの方に、名古屋の風味を感じた。
結論。
「名物にうまいものなし」
そのまま帰って寝た。
だが、我々がきしめんを食っている間に、驚くべき裁定が下されていたのだった。